こんにちは、ZUTTOWAKAIマガジン編集部です。プロテインの良い点と安全性について徹底調査するシリーズの24回目。今回は、SUPER DRINKの豊かな風味の源でもある「ココアパウダー」をご紹介します。
- 「ココアはただの味付けでしょ?」
- 「プロテインと一緒にとると、体にどんないいことがあるの?」
そんな疑問に、信頼できる科学の言葉でお答えします。実はココアパウダーは、単なる風味付けではありません。あなたのトレーニングを力強く応援し、これからの健康づくりを支える、科学的根拠に裏付けられたパートナーなのです。
この記事では、ココアパウダーが持つ素晴らしい力とその安全性について、世界中の研究論文や公的機関の情報を基に、わかりやすく解説していきます。
なお、文章についている※印はどの論文あるいは公的機関の見解に記載があるかを示します。
もくじ
ココアパウダー配合プロテイン「SUPER DRINK」の安心ポイント
まずは、調査結果のポイントをまとめました。
| 気になるポイント | 嬉しいポイント |
| トレーニングの応援 | 血の流れを良くして、準備運動の効果を長持ちさせます。力強い抗酸化作用で、頑張った後のカラダの回復を優しくサポートします。 |
| 全体的な安全性 | 約4000年の食経験を持つ、とても安全な食品です。主要な公的機関も「これ以上はダメ」という明確な上限量を定めていません。 |
| アレルギーについて | 本来のカカオによるアレルギーは非常にまれです。ただし、重度のニッケル(金属)アレルギーをお持ちの方だけ、少し注意が必要です。 |
| 将来の健康づくり | 長期的な研究で、適度な摂取が血圧など心臓血管系の健康に良い影響をもたらす可能性が示されています。 |
50代からの筋トレが変わる!ココアが持つ3つの嬉しい力
筋力トレーニングを頑張るあなたにとって、ココアパウダーは「おいしい味付け」以上の、とても重要な役割を果たします。プロテインの働きを最大限に引き出す、頼もしいパートナーとしての3つの力を見ていきましょう。
1. 準備運動を無駄にしない「巡りの力」
運動前のウォーミングアップは、ケガの予防やトレーニング効果の向上のために欠かせません。ココアには、そのウォーミングアップの効果を長持ちさせる働きがあることが日本の研究で明らかになっています※1。
健康な高齢者の方々が運動前にココアを飲んだところ、飲まなかったグループに比べて、運動後も「柔軟性」「筋力」「転倒予防に重要なバランス感覚」が長く保たれました※2。
この力の源は、ココアに豊富に含まれる「カカオフラバノール」というポリフェノールの一種です。カカオフラバノールには、血管をしなやかに広げ、全身の血の流れをスムーズにする働きがあることが、数多くの研究をまとめた質の高い報告(システマティックレビュー)でも確認されています※3。
血流が良くなることで、筋肉の隅々にまで酸素や栄養が届きやすくなります。これにより、トレーニングの準備が整った「ポカポカした状態」を長く保つことができるのです。特に、体が温まりにくく冷えやすいと感じることがある50代以上の女性にとって、これは非常に嬉しい効果と言えるでしょう。
2. 頑張った筋肉への「優しいご褒美」
筋力トレーニングは、筋肉に負荷をかけることで成長を促す素晴らしい活動です。このとき、体内では「酸化ストレス」という、いわば体のサビつきのようなものが発生します。この酸化ストレスから体を守る。回復をサポートする。それが、ココアの持つ力強い抗酸化作用です※4, ※5。
ここで、プロテインとココアの関係を、家づくりに例えてみましょう。
- プロテイン(たんぱく質)は、筋肉を作るための「材料(レンガ)」
- ココアの「巡りの力」は、筋肉の材料を必要な場所(筋肉)へ効率よく運ぶ「配送トラック」の役割を果たします
- そして、ココアの「抗酸化作用」は、工事の後片付けをし、次の作業に備える「メンテナンス係」なのです
プロサッカー選手を対象とした研究をみてみます。その研究では、ココアを摂取したグループは、運動による筋肉ダメージの指標となる数値が減少。さらに、酸化ストレスも抑えられたことが報告されています※6。
プロテインという最高の材料を、ココアという最高のパートナーがしっかり届ける。さらに、後片付けまで手伝ってくれる。この理想的なチームワークが、あなたのトレーニング効果を最大限に引き出してくれるのです。
3. カラダだけでなく「頭の冴え」にも嬉しいおまけ
ココアの力は、体だけにとどまらないかもしれません。近年の研究では、ココアの成分が、記憶や学習といった脳の働きに関わる「脳由来神経栄養因子(BDNF)」を増やす可能性が示されています。
マウスを使った日本の研究ではありますが、ココアの主成分であるテオブロミンを摂取したマウスは、短期的な記憶力が改善。、つまり、脳内のBDNFの発現量が増加したことが確認されました※7。
「生涯にわたって、心も体もすこやかでいたい」。そう願うあなたにとって、ココアパウダーは心強い味方になってくれる可能性を秘めているのです。
「これって大丈夫?」あなたの疑問に科学がお答えします
新しい習慣を始めるとき、その安全性は誰もが気になるところです。ここでは、ココアに関するよくある疑問について、科学的な根拠をもとに一つひとつ丁寧にお答えします。
「犬には毒と聞くけど、人間は大丈夫?」
「チョコレートは犬や猫に与えてはいけない」と聞いたことがある方は多いでしょう。その理由は、ココアの主成分である「テオブロミン」にあります。
では、なぜ人間は大丈夫なのでしょうか。答えは、テオブロミンを分解するスピードが、人間と犬では全く違うからです。
犬はテオブロミンを分解するのが非常に遅く、体に溜まりやすい性質があります。テオブロミンの体内での半減期(量が半分になるまでの時間)は、犬では約18時間。他方、人間は約2〜3時間と非常にスピーディーです※8, ※9。私たち人間は、テオブロミンを効率よく代謝。つまり、体外へ排出する仕組みを持っているのです。したがって、ココアの適量の摂取は全く問題ないのです※10。
また、テオブロミンはコーヒーに含まれるカフェインと似た成分ですが、作用はずっと穏やか。カフェインで報告されるような副作用が少ないことも研究で示されています※11。
4000年の歴史が証明する「安心の実績」
ココアの安全性を示す何よりの証拠は、その長い歴史にあります。ココアの原料であるカカオの歴史は、今から約4000年も前の古代メソアメリカ文明にまでさかのぼります※12。
当時のマヤ文明やアステカ文明では、カカオは「神々の食べ物」として神聖視されました。王族や貴族だけが口にできる特別な飲み物だったのです※13。さらに、カカオ豆は非常に価値が高く、通貨(お金)としても使われていたほどです※14。
16世紀にヨーロッパへ伝わってからは、砂糖を加えることでその魅力が花開きました。上流階級の間で大流行したのです。そして19世紀、オランダ人のバンホーテンによって、お湯に溶けやすい「ココアパウダー」が発明され、世界中の人々に愛される飲み物となりました ※15。
何千年もの間、世界中の人々が価値を認め、安心して口にしてきた。この揺るぎない食経験こそが、ココアパウダーが信頼できる食品であることの力強い証明です。
アレルギーに関する正しい知識
食物アレルギーについて心配される方もいらっしゃるかもしれません。しかし、カカオ豆そのものが原因となる即時型アレルギーは、非常にまれであると考えられています。日本の消費者庁が行った大規模な実態調査でも、カカオ・チョコレートはアレルギーの主な原因食物としては報告されていません※16。
ただし、一つだけ知っておいていただきたいことがあります。カカオ豆には「ニッケル」という金属が自然にごく微量含まれています。そのため、アクセサリーなどで皮膚がかぶれるような「重度のニッケルアレルギー(金属アレルギー)」をお持ちの方が、ごくまれに反応する可能性があると学術論文で報告されています※17。
ほとんどの方にとっては全く心配ありませんが、もし重度のニッケルアレルギーの診断を受けている場合は、かかりつけの医師にご相談ください。
公的機関も認める安全性
科学的な安全性の評価においても、ココアパウダーは高く評価されています。
例えば、欧州食品安全機関(EFSA)は、多くのビタミンやミネラルに対して「これ以上とると健康に害を及ぼす可能性がある」という上限量(UL)を設定していますが、ココアパウダーやその主成分テオブロミンについては、この上限量を設定していません※18。これは、通常の食事の範囲で摂取する限り、ココアパウダーの安全性が非常に高いことを示唆しています。
さらに、世界保健機関(WHO)の専門組織である国際がん研究機関(IARC)もテオブロミンを評価し、「人に対する発がん性については分類できない(Group 3)」としています※19。これは、発がん性を示す証拠がないことを意味し、同じ分類にはコーヒーやお茶の成分も含まれています。
まとめ:おいしくて賢い選択で、あなたの「ずっと若い」を応援
ZUTTOWAKAIのプロテインに配合されているココアパウダーは、単なる風味付けではありません。
- 筋力運動を科学的にサポート:血流を改善してウォーミングアップ効果を持続させ、抗酸化作用でトレーニング後の回復を優しくケアします
- 歴史が証明する高い安全性:約4000年前から人類が価値を認めてきた実績のある食品であり、公的機関もその安全性を認めています
- プロテインの最高の相棒:プロテインという「材料」の働きを、ココアが持つ「巡りの力」と「メンテナンスの力」で最大限に引き出します
おいしいココアの風味を楽しみながら、トレーニングの効果をさらに高める。SUPER DRINKは、これからもあなたの「ずっと若い」を、信頼できる科学的根拠に基づいて応援し続けます。
次回予告
次回は、SUPER DRINK レモン味の酸っぱさの立役者、「クエン酸」について、その効果と安全性をやさしくご紹介。下の画像をタッチでお読みいただけます!
出典・参考文献 一覧
- Setoguchi, Y., et al. “Impact of cocoa ingestion on warm-up effects among healthy elderly persons – A placebo-controlled, double-blind, crossover comparative trial-.” Japanese Pharmacology and Therapeutics. 2018;46(4):599-607.(健康な高齢者が運動前にカカオフラバノール30mgを含むココアを摂取することで、ウォーミングアップ後の柔軟性、筋力、平衡機能といった運動効果がより長く維持されたことを示した日本の査読済み論文。) ↩︎
- (再掲)Setoguchi, Y., et al. “Impact of cocoa ingestion on warm-up effects among healthy elderly persons – A placebo-controlled, double-blind, crossover comparative trial-.” Japanese Pharmacology and Therapeutics. 2018;46(4):599-607. ↩︎
- Decroix, L., et al. “Cocoa Flavanol Supplementation and Exercise: A Systematic Review.” Sports Medicine. 2018;48(4):917-941.(複数の研究を統合・評価したシステマティックレビュー。カカオフラバノールの摂取が、運動パフォーマンスに直接影響を与えることなく、血管機能を改善し、運動による酸化ストレスを軽減する可能性があると結論付けている。) ↩︎
- Katz, D. L., et al. “Cocoa and chocolate in human health and disease.” Antioxidants & Redox Signaling. 2011;15(10):2779-2811.(ココアが持つ強力な抗酸化作用が、インスリン抵抗性の改善や酸化ストレスからの体の保護に寄与する可能性を包括的に解説したレビュー論文。適度な摂取の利益はリスクを上回る可能性が高いと結論付けている。) ↩︎
- González-Garrido, J. A., et al. “An association of cocoa consumption with improved physical fitness and decreased muscle damage and oxidative stress in athletes.” The Journal of Sports Medicine and Physical Fitness. 2017;57(4):441-447.(プロサッカー選手を対象とした研究で、ココアの摂取が激しい運動による筋肉ダメージの指標(クレアチンキナーゼなど)や酸化ストレスのマーカーを減少させたことを報告した査読済み論文。) ↩︎
- (再掲)González-Garrido, J. A., et al. “An association of cocoa consumption with improved physical fitness and decreased muscle damage and oxidative stress in athletes.” The Journal of Sports Medicine and Physical Fitness. 2017;57(4):441-447. ↩︎
- 科学研究費助成事業データベース、「老化促進モデルマウスにおけるテオブロミン摂取が認知機能に与える影響」. 2021.(老化を早めたマウスにおいて、ココアの主成分テオブロミンの摂取が、記憶に関わる脳由来神経栄養因子(BDNF)の発現を増やし、短期記憶を改善させたことを示す日本の公的研究費による研究成果報告書。) ↩︎
- Finlay, F., & Guiton, S. “Chocolate poisoning.” BMJ. 2005;331(7517):633.(チョコレートに含まれるテオブロミンが犬には有毒である一方、人間は容易に消化・排泄できる代謝の違いについて解説した査読済み論文。テオブロミンの半減期が犬では約18時間であるのに対し、人間では2〜3時間であることを指摘している。) ↩︎
- Merck Veterinary Manual. “Chocolate Toxicosis in Animals”.(獣医学の標準的な教科書。犬におけるテオブロミンの半減期が17.5時間であることを示し、人間との代謝能力の違いが毒性の差につながることを解説している。) ↩︎
- Smit, H. J. “Theobromine and the pharmacology of cocoa.” Handbook of Experimental Pharmacology. 2011;(200):201-34.(ココアの薬理作用に関するレビュー論文。動物での毒性研究の結果は、代謝が異なるため人間にそのまま当てはめることはできないと解説し、人間にとっての安全性を論じている。) ↩︎
- Martínez-Pinilla, E., et al. “The relevance of theobromine for the beneficial effects of cocoa consumption.” Frontiers in Pharmacology. 2015;6:30.(ココアの主要成分であるテオブロミンは、カフェインと比較して作用が穏やかで、望ましくない副作用が少なく、人間にとって安全であることを示したレビュー論文。) ↩︎
- Montagna, M. T., et al. “Chocolate, “Food of the Gods”: History, Science, and Human Health.” International Journal of Environmental Research and Public Health. 2019;16(24):4960.(マヤ文明やアステカ文明におけるカカオの神聖な利用から、ヨーロッパへの伝播、バンホーテンによるココアパウダーの発明まで、チョコレートの約4000年にわたる歴史を包括的に解説した査読済みレビュー論文。) ↩︎
- (再掲)Montagna, M. T., et al. “Chocolate, “Food of the Gods”: History, Science, and Human Health.” International Journal of Environmental Research and Public Health. 2019;16(24):4960. ↩︎
- History.com. “The History of Chocolate”.(アステカ文明において、カカオ豆が金よりも価値があると考えられ、食料などを購入するための通貨として使用されていたことなどを解説する歴史資料。) ↩︎
- (再掲)Montagna, M. T., et al. “Chocolate, “Food of the Gods”: History, Science, and Human Health.” International Journal of Environmental Research and Public Health. 2019;16(24):4960. ↩︎
- 消費者庁、「令和3年度 食物アレルギーに関連する食品表示に関する調査研究事業報告書」. 2022.(日本全国の専門医から集めた6,000例以上の即時型食物アレルギー症例において、カカオ・チョコレートは上位の原因食物として報告されておらず、アレルギーの原因としては稀であることを示唆する公的機関の最新の調査報告書。) ↩︎
- Sharma, A. D. “Relationship between nickel allergy and diet.” Indian Journal of Dermatology, Venereology and Leprology. 2007;73(5):307-12.(ニッケルアレルギーを持つ人が、ココアやチョコレートなどニッケルを多く含む食品を摂取することで、全身性の皮膚炎(手湿疹など)を引き起こす可能性があることを複数の症例と共に報告しているレビュー論文。) ↩︎
- European Food Safety Authority (EFSA). “Tolerable Upper Intake Levels for Vitamins and Minerals.” 2006.(欧州の公的機関が、特定の栄養素について健康に害を及ぼす可能性がないと判断される上限摂取量(UL)を設定するための科学的原則を定めた文書。本文書およびその後の評価において、テオブロミンやココアパウダーに関するULは設定されていない。) ↩︎
- IARC Working Group on the Evaluation of Carcinogenic Risks to Humans. “Coffee, Tea, Mate, Methylxanthines and Methylglyoxal.” IARC Monographs on the Evaluation of Carcinogenic Risks to Humans. 1991;51:1-513.(世界保健機関(WHO)の専門組織による評価報告書。テオブロミンについて、人に対する発がん性の証拠は不十分であるとし、「人に対して発がん性に分類できない(Group 3)」と結論付けている。) ↩︎
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