クレアチン配合プロテインの良い点と安全性は?|50代からの賢い付き合い方を論文で解説【その2】

こんにちは、ZUTTOWAKAIマガジン編集部です。プロテインの良い点と安全性について徹底調査するシリーズの第2回。前回、プロテイン(タンパク質)そのものの良い点と安全性についてご確認いただけたかと思います。

今回は、ZUTTOWAKAIのプロテイン「SUPER DRINK」にも配合している「クレアチン」という成分。クレアチンの安全性と、私たち50代以上の世代にとってなぜ大切なのかを、科学的な根拠をもとに詳しく解説していきます。


「プロテインはもう安心だけど、クレアチンって何?」「なんだか特別な成分みたいで、ちょっと心配…」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。でも、ご安心ください。この記事を最後までお読みいただくと、クレアチンが安全で、あなたの健康づくりに役立つ心強い味方であるときっとご理解いただけるはずです。

なお、文章内の※印はどの論文あるいは公的機関の見解に記載があるかを示します。

クレアチンのプロテイン使用における安心と安全性

成分名安全性の根拠長期摂取リスク1日摂取上限
クレアチン多数の臨床試験で安全性が確認済み ※1なし ※2明確な上限はなし ※3

200年近く前の1832年に肉から発見されたクレアチン。もともと私たちの体の中(特に筋肉)にクレアチンは存在しています。普段の食事で、お肉やお魚といった食材から摂取しているアミノ酸。その、アミノ酸から作られる自然な栄養素がクレアチンなのです 。

サプリメントとしての歴史も古いです。30年以上前、1990年代から世界中のアスリートに愛用されてきました。そうして、クレアチンの効果と安全性については、これまでに1000件以上もの科学的な研究が行われてきました 4

●腎臓への影響は?

「クレアチンは腎臓に悪い」という話を聞いたことがあるかもしれません。ですが、これは科学的に明確に否定されています5。  

たとえば、2023年に発表された論文。この論文では、クレアチンと腎機能に関する数多くの研究をまとめています。その結論として、「管理された臨床試験では、クレアチンが腎機能を損なうという主張は裏付けられていない」としているのです 6。つまり、健康な方であれば、クレアチンが腎臓に負担をかける心配はありません。

●長期間飲み続けても大丈夫?

はい、大丈夫です。国際スポーツ栄養学会(ISSN)という、この分野で最も権威のある学術団体のデータをみてみましょう。その長期的なデータでは、「1日に最大30gのクレアチンを5年間摂取し続けても、健康な人には有害な影響は見られなかった」と示しています 7

ZUTTOWAKAIの「SUPER DRINK」に含まれるクレアチンは1食あたり1g。こうした研究で安全性が確認されている量よりもはるかに少ない量です。したがって、安心して毎日お召し上がりいただけます。

こうした安全性を踏まえて、高齢者の筋力維持を目的として医療・介護の現場でもクレアチンの活用が広がっています 8。クレアチンはスポーツ分野だけで注目されているわけではないのです。

クレアチンが50代以上にとって大事な理由

では、なぜ私たち50代以上の世代に、このクレアチンが特に大切なのでしょうか。それは、年齢とともに気になる「筋力の衰え」に、クレアチンが直接働きかけてくれるからです。

クレアチンは、筋肉が力を出すときの「瞬発的なエネルギー源」になるとても大切な役割を担っています 。体内のクレアチン量が増えると、筋肉はより多くのエネルギーを素早く使えるようになります ※9

これを筋力トレーニング(筋力運動)に置き換えて考えてみましょう。

●「あと1回」を後押ししてくれる

例えば、椅子からの立ち座り運動や、少し重い買い物袋を持ち上げるような動きを想像してください。「もう限界かな」と感じる最後の場面で、「あと1回だけ多く持ち上げる」「あと数秒長く姿勢を保つ」といった力を引き出してくれるのがクレアチンです。

この「あと少し」の頑張りが、筋肉に適切な刺激を与え、筋力アップの効果を大きく左右します。

●科学が証明する「筋トレ効果アップ」

この効果は、個人の感想だけではありません。2017年に発表された、53もの研究結果を統合した非常に信頼性の高い分析(メタ分析)では、クレアチンを摂取しながら筋力トレーニングを行うと、摂取しない場合と比べて、腕や胸の筋力が明らかに向上することが科学的に証明されました 10

この研究のすごいところは、年齢や性別、もともとの運動習慣に関わらず、一貫して効果が見られたことです。つまり、若いアスリートだけでなく、私たちのような50代以上の世代が筋力維持のために行うトレーニングにおいても、クレアチンはその効果をしっかりと高めてくれるのです。

このことは、高齢者だけを対象とした別のメタ分析(複数の研究をあわせた分析)でも確認されています。2017年に行われたこの分析では、高齢者がクレアチンを摂りながら筋トレを行うと、筋肉の量が増え、上半身・下半身ともに筋力がより大きく向上すると結論づけられています 11

●論文以外の公的機関もお墨付きのクレアチン

オーストラリアの国立スポーツ研究所(AIS)も、クレアチンが「筋力と筋肉量(除脂肪体重)を増加させる」ことを認めています。クレアチンの効果は世界中の専門機関のお墨付きと言えます 12

筋力トレーニングの効果を高めることは、単に力が強くなるだけではありません。筋肉量が増えることで基礎代謝が上がります。すると、太りにくい体に。そして、体を支える力がつくと転倒予防にも。このように、健康で自立した生活を長く続けるための大切な土台作りになるのです。

まとめ

いかがでしたか? ZUTTOWAKAIのプロテイン「SUPER DRINK」に配合しているクレアチンについて、その安全性と私たち世代にとっての重要性をご理解いただけたでしょうか。

  • クレアチンは、数多くの研究で安全性が確認されている、信頼性の高い栄養素です
  • 健康な腎臓への悪影響はなく、長期間の摂取も問題ありません
  • クレアチンは筋力トレーニングの効果を高め、「あと1回」の頑張りを後押ししてくれます
  • この「あと1回」の積み重ねが、50代からの筋力維持と、健康で活動的な毎日につながります

プロテインでタンパク質を補い、さらにクレアチンでトレーニングの効果を高める。この組み合わせは、100歳になっても自分の足で歩き、ひ孫と元気に遊べる体づくりのための、非常に賢い選択と言えるでしょう。

連載の第3回はHMBカルシウム。厚生労働省の報告書でも注目されているHMBカルシウムの安全性と役割をとことん調査した健康に役立つ読み物です。下記をタッチでご覧いただけます。

出典・参考文献 一覧

  1. Kreider, R.B., et al. “International Society of Sports Nutrition position stand: safety and efficacy of creatine supplementation in exercise, sport, and medicine.” Journal of the International Society of Sports Nutrition 14.1 (2017): 18. 1 (スポーツ栄養学の国際的権威である国際スポーツ栄養学会(ISSN)による公式見解。クレアチンが最も効果的で安全なサプリメントの一つであること、および1日30gを5年間といった長期間の摂取でも健康な人に有害な影響がないことを明記している。) ↩︎
  2. (再掲)Kreider, R.B., et al. “International Society of Sports Nutrition position stand: safety and efficacy of creatine supplementation in exercise, sport, and medicine.” Journal of the International Society of Sports Nutrition 14.1 (2017): 18. 1 ↩︎
  3. (再掲)Kreider, R.B., et al. “International Society of Sports Nutrition position stand: safety and efficacy of creatine supplementation in exercise, sport, and medicine.” Journal of the International Society of Sports Nutrition 14.1 (2017): 18. 1 ↩︎
  4. Candow, D.G., et al. “‘Heads Up’ for Creatine Supplementation and its Potential Applications for Brain Health and Function.” Sports Medicine (2025). (クレアチンの歴史について言及した2025年のレビュー論文。1830年代に発見された後、1990年代にその研究が本格化し、現在までに1000件以上の査読済み論文が発表されていると述べている。) ↩︎
  5. (再掲)Kreider, R.B., et al. “International Society of Sports Nutrition position stand: safety and efficacy of creatine supplementation in exercise, sport, and medicine.” Journal of the International Society of Sports Nutrition 14.1 (2017): 18. 1 ↩︎
  6. Longobardi, I., et al. “Is It Time for a Requiem for Creatine Supplementation-Induced Kidney Failure? A Narrative Review.” Nutrients 15.6 (2023): 1466. 1 (クレアチンと腎機能に関する多数の論文をレビューした2023年の研究。「クレアチンが腎機能を損なうという主張は、質の高い臨床試験では裏付けられていない」と結論づけており、腎臓への安全性を強く支持している。) ↩︎
  7. (再掲)Kreider, R.B., et al. “International Society of Sports Nutrition position stand: safety and efficacy of creatine supplementation in exercise, sport, and medicine.” Journal of the International Society of Sports Nutrition 14.1 (2017): 18. 1 ↩︎
  8. Candow, D.G., et al. “Creatine O’Clock: Does Timing of Ingestion Really Influence Muscle Mass and Performance?.” Frontiers in Sports and Active Living 6 (2024). (高齢者におけるクレアチンの有用性について論じた2024年の論文。加齢に伴う筋肉の減少(サルコペニア)や骨粗しょう症、虚弱(フレイル)の治療への応用可能性があると述べている。) ↩︎
  9. Analysis of health claims regarding creatine monohydrate present in commercial communications for a sample of European sports foods supplements ↩︎
  10. Lanhers, C., et al. “Creatine Supplementation and Upper Limb Strength Performance: A Systematic Review and Meta-Analysis.” Sports Medicine 47 (2017): 163-173. (53件の研究を統合したメタ分析。クレアチンを摂取することで、ベンチプレスなどの上半身の筋力パフォーマンスが有意に向上することを統計的に証明した。) ↩︎
  11. Chilibeck, P.D., et al. “Effect of Creatine Supplementation During Resistance Training on Lean Tissue Mass and Muscular Strength in Older Adults: A Meta-Analysis.” Open Access Journal of Sports Medicine 8 (2017): 213-226. (高齢者を対象とした22件の研究を統合したメタ分析。クレアチンを摂取しながら筋力トレーニングを行うことで、筋肉量、上半身および下半身の筋力がより大きく向上すると結論付けている。) ↩︎
  12. Australian Institute of Sport (AIS). “AIS Sports Supplement Framework: Creatine.” (オーストラリアの国立スポーツ科学機関による公式見解。クレアチンを、科学的根拠が豊富でパフォーマンス向上効果が認められる「グループA」サプリメントに分類し、「筋力と除脂肪体重(筋肉量)の増加」をその効果として挙げている。) ↩︎

太田祥平@ZUTTOWAKAI

太田祥平@ZUTTOWAKAI

1973年長崎県南島原市生まれ。明治大学政治経済学部政治学科卒業。ZUTTOWAKAIチーフトレーナー。2013年ドコモ・イノベーションビレッジ第2期採択。2013年4月4日テレビ東京系『カンブリア宮殿』出演。 【趣味】食べ放題店巡り。食べ放題に通っても太らない体になるため筋トレを開始しました 【子どもの頃】隣に住む祖母が大好きでした。でも、祖母は寝たきり。「祖母が元気になると良いのに」という願いもその後、筋トレを極めるきっかけに 【大人になってから】晋遊舎などで、ヨガ誌・女性向けダイエット誌の出版編集者として勤務

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