こんにちは、ZUTTOWAKAI マガジン編集部です。プロテインの良い点と安全性について徹底調査するシリーズの16回目。今回は、「葉酸(ビタミンB9)」の安全性をご紹介します。
トレーニングのお供にプロテインを検討する中で、「葉酸」という成分を目にしたことがあるかもしれません。「葉酸って、妊娠中の女性に必要な栄養素でしょう?」そう思われるのも当然です。これまでの健康情報では、そのように伝えられることがほとんどでしたから 。
しかし、研究が進むにつれて、葉酸が持つ素晴らしい力が、実は筋力トレーニングに励む私たち大人世代にとっても、非常に心強い味方になることがわかってきました。
この記事では、信頼できる科学的な研究に基づいて、50代からのカラダづくりにおける葉酸の良い点と、多くの方が気になる安全性について、わかりやすく丁寧にご説明します。あなたの努力を、科学の力で賢くサポートするための情報がここにあります。
なお、文章についている※印はどの論文あるいは公的機関の見解に記載があるかを示します。
驚きの事実!筋力運動に励むあなたに葉酸が良い理由
葉酸は「赤ちゃんのためのビタミン」というだけではありません。筋力や体力の維持・向上を目指す50代以上の女性にとって、見逃せない多くの利点があります。
理由1:筋力の維持をサポートする可能性
「頑張って鍛えた筋力を、しっかり維持したい」これは誰もが願うことでしょう。近年の研究で、葉酸の摂取量がこの願いに関係している可能性が示唆されています。
例えば、韓国で行われた6,000人以上を対象とした大規模な調査。この調査では、血液中の葉酸濃度が高い高齢者ほど、握力(全身の筋力の指標とされます)が強い傾向にあることが報告されました ※1。もちろん、葉酸だけが筋力を決めるわけではありません。ですが、日々のトレーニングの効果を最大限に引き出すための栄養素の一つとして、その重要性が注目されています。
理由2:筋肉に酸素と栄養を届け、疲れにくくする
トレーニング中にバテてしまったり、思ったように力が出なかったりすることはありませんか?その原因の一つは、筋肉への酸素供給が関係しているかもしれません。
葉酸は、血液の主成分である「赤血球」を作るために不可欠な栄養素です ※2。赤血球は、私たちが吸った酸素を全身の細胞、特に運動で活発に働く筋肉へと運ぶ大切な役割を担っています。葉酸をきちんと摂ることで、質の良い赤血球が作られ、筋肉のすみずみまで酸素が届きやすくなります。これにより、トレーニング中の持久力が高まり、疲れにくいカラダづくりに繋がるのです。
さらに、葉酸にはもう一つ重要な働きがあります。それは、血液中に増えすぎると血管のしなやかさを損なう原因となる「ホモシステイン」という物質を、無害なものに分解する手助けをすることです ※3。血管が健康でしなやかであれば、筋肉に必要な栄養や酸素の通り道がスムーズになります。これもまた、トレーニングのパフォーマンス向上や、運動後の回復を助ける上で大きなプラスとなります。
賢い摂取のための安全ガイド
サプリメントを利用する上で、最も大切なのは安全性です。葉酸について、科学的根拠に基づいた正確な情報をお伝えしますので、安心して読み進めてください。
適正量と上限量 ― SUPER DRINKなら安心です
まず大切なのは、摂りすぎを心配する必要はほとんどない、ということです。日本の厚生労働省が定める食事摂取基準によると、50〜64歳の女性が食事から摂るべき葉酸の推奨量は1日240マイクログラムです ※4。
一方で、サプリメントなどから葉酸を摂る場合の「これ以上は超えない方が良い」とされる安全な上限量(耐容上限量)は、1日1,000マイクログラムと設定されています ※5, ※6。この上限が設けられている主な理由は、万が一、別のビタミンである「ビタミンB12」が不足している場合に、その発見が遅れてしまうのを防ぐためです。葉酸を大量に摂ると、ビタミンB12欠乏症のサインである貧血が隠れてしまうことがあるため、慎重を期して上限が定められています ※7。
それでは、ZUTTOWAKAIのオリジナルプロテイン『SUPER DRINK』に含まれる葉酸の量を見てみましょう。
| 項目 | 葉酸の量(マイクログラム/日) |
| SUPER DRINK 1食分 | 73.3 mcg |
| 50代女性の1日の推奨量 | 240 mcg |
| 安全な上限量(サプリメント等から) | 1,000 mcg |
| 比較 | 上限量のわずか7.3%。毎日の食事と合わせても安心です |
表からわかるように、『SUPER DRINK』に含まれる葉酸は、安全な上限量に対してごくわずかです。1日に数回飲んだとしても全く心配のない量。ですので、安心して毎日の習慣にしていただけます。
葉酸とがんのリスクについて
過去に「葉酸のサプリメントはがんのリスクを高めるのではないか」という議論があったため、ご心配な方もいらっしゃるかもしれません。
この点については、現在では大規模な研究によって、明確な結論が出ています。約5万人もの人々を対象に行われた複数の信頼性の高い研究結果を統合した分析では、「葉酸のサプリメントを摂取しても、がん全体の発生率は増加も減少もしない」ことが示されました ※8, ※9。
これには、大腸がん、肺がん、乳がん、前立腺がんなども含まれます。アメリカ疾病予防管理センター(CDC)などの公的機関も、この見解を支持しています ※10。安心してご利用ください。
アレルギーの心配は?
食品に含まれる葉酸でアレルギーが起こることは、医学的に報告されていません。サプリメントでごくまれにかゆみなどが出る方もいますが、非常に稀なケースです ※11。つまり、アレルギーの心配が極めて少ない安全な栄養素だと葉酸は言えます。
葉酸を毎日の食生活に
私たちの祖先が昔から自然の恵みとして摂り続けてきたとても身近な栄養素なのが葉酸です。
「葉っぱのビタミン」と呼ばれる理由
葉酸は、1941年にほうれん草の葉から発見されました。その名前は、ラテン語で「葉」を意味する「folium」に由来しています ※12。まさに「葉っぱのビタミン」なのです。
サプリメントと聞くと人工的なものを想像しがち。ですが、その正体は、ほうれん草(ゆで)や枝豆、ブロッコリー、アスパラガス、鶏レバーといった、普段私たちが食べている食品に豊富に含まれている栄養素が葉酸なのです ※13。プロテインで葉酸を補うことは、これらの健康的な食材から栄養をいただくのと同じ。自然なことなのです。
まとめ:自信を持って、未来のカラダづくりを
この記事では、葉酸が50代から筋力トレーニングに励む女性にとっていかに有益であるか、そしてその安全がいかに高いレベルで確認されているかをご紹介しました。
- 筋力維持のサポート: 葉酸は、トレーニングでつけた筋肉を支える栄養素の一つです ※14
- パフォーマンス向上: 赤血球の生成を助け、筋肉への酸素供給をスムーズにし、疲れにくい体づくりに貢献します ※15, ※16
- 高い安全性: 『SUPER DRINK』に含まれる量は、国が定める安全な上限値に比べてごくわずかです ※17, ※18。最新の大規模研究でも、がんのリスクとの関連は否定されています ※19, ※20
葉酸はもはや、妊婦さんだけのものではありません。今のあなたの努力を支え、未来の健康をつくるための、頼もしいパートナーです。あなたの筋力トレーニングの努力を、科学の力で賢くサポートしましょう。自信を持って、今日の、そして未来のカラダづくりを続けてください。
次回予告
続いては、「ビオチン(ビタミンB7)」についてご紹介。髪や肌だけでなく、運動をがんばる人にも必要な理由をわかりやすくお伝えする美容と健康に役立つ読み物です。下の写真をタッチでご覧いただけます!
出典・参考文献 一覧
- Lee, S. Y., et al. (2021). “Folic Acid Is Related to Muscle Strength and Vitamin A Is Related to Health-Related Quality of Life: Results of the Korea National Health and Nutrition Examination Survey (KNHANES VII 2016–2018)”. International Journal of Environmental Research and Public Health.(韓国の国民健康栄養調査のデータを用いた研究。6112人の成人を対象とし、特に65歳以上の高齢者において、血中葉酸濃度が高いほど握力が有意に高いことを示した。) ↩︎
- National Institutes of Health, Office of Dietary Supplements. “Folate – Fact Sheet for Health Professionals”.(米国の国立衛生研究所(NIH)による医療専門家向けのファクシート。葉酸が赤血球の正常な形成に必須であり、DNA合成に中心的な役割を果たすことを解説している。) ↩︎
- Lucock, M. (2000). “Folic acid: nutritional biochemistry, molecular biology, and role in disease processes”. Molecular Genetics and Metabolism.(葉酸の生化学的役割に関する総説論文。葉酸がホモシステイン代謝に関与し、その濃度を低下させることで心血管疾患などに良い影響を与える可能性について詳述している。) ↩︎
- 厚生労働省. 「日本人の食事摂取基準(2020年版)」.(日本の厚生労働省が策定した公的な栄養摂取基準。50~64歳女性の葉酸の推奨量を240μg/日、サプリメント等からの耐容上限量を1,000μg/日と定めている。) ↩︎
- (再掲)厚生労働省. 「日本人の食事摂取基準(2020年版)」. ↩︎
- Institute of Medicine (US) Standing Committee on the Scientific Evaluation of Dietary Reference Intakes. (1998). “Dietary Reference Intakes for Thiamin, Riboflavin, Niacin, Vitamin B6, Folate, Vitamin B12, Pantothenic Acid, Biotin, and Choline”. National Academies Press (US).(米国医学研究所による食事摂取基準の報告書。葉酸の耐容上限量を1,000μg/日と設定した根拠として、高用量の葉酸摂取がビタミンB12欠乏症の診断を困難にし、不可逆的な神経障害のリスクを覆い隠す可能性があることを指摘している。) ↩︎
- (再掲)Institute of Medicine (US) Standing Committee on the Scientific Evaluation of Dietary Reference Intakes. (1998). “Dietary Reference Intakes for Thiamin, Riboflavin, Niacin, Vitamin B6, Folate, Vitamin B12, Pantothenic Acid, Biotin, and Choline”. National Academies Press (US). ↩︎
- Vollset, S. E., et al. (2013). “Effects of folic acid supplementation on overall and site-specific cancer incidence during the randomised trials: meta-analyses of data on 50 000 individuals”. The Lancet.(医学雑誌ランセットに掲載された、約5万人を対象とした13のランダム化比較試験のメタアナリシス。葉酸サプリメントの摂取が、がん全体および特定部位(大腸、肺、乳房、前立腺など)のがん発生率を増加も減少もさせなかったと結論付けている。) ↩︎
- B-Vitamin Treatment Trialists’ Collaboration. (2013). “Folic acid supplementation and cancer risk: a meta-analysis of randomized controlled trials”. University of Oxford.(上記The Lancetの論文を発表した研究者グループの公式サイト。研究の概要と、葉酸サプリメントが短期間(約5年間)のがんリスクに実質的な影響を与えないという結論を改めて示している。) ↩︎
- Centers for Disease Control and Prevention (CDC). “Folic Acid Safety, and Cancer Risk”.(アメリカ疾病予防管理センター(CDC)による葉酸の安全性に関する情報ページ。約5万人を対象とした13の研究の分析結果として、葉酸を摂取した人々の間でがんの発生が増加も減少しなかったことを明記している。) ↩︎
- 国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所. 「「健康食品」の安全性・有効性情報 – 葉酸」.(日本の国立健康・栄養研究所による専門情報。通常の食品に含まれる葉酸による過剰摂取での健康障害は報告されていないこと、サプリメントからの高用量摂取における注意点などを解説している。アレルギーに関する特段の記載はなく、一般的なリスクとは考えられていないことを示唆している。) ↩︎
- 国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所. 「「健康食品」の安全性・有効性情報 – 葉酸とは?」.(日本の国立健康・栄養研究所による解説。葉酸がほうれん草の抽出物から発見され、ラテン語の「葉(folium)」から命名された歴史や、レバーや緑黄色野菜など多くの食品に含まれることを紹介している。) ↩︎
- (再掲)国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所. 「「健康食品」の安全性・有効性情報 – 葉酸とは?」. ↩︎
- (再掲)Lee, S. Y., et al. (2021). “Folic Acid Is Related to Muscle Strength and Vitamin A Is Related to Health-Related Quality of Life: Results of the Korea National Health and Nutrition Examination Survey (KNHANES VII 2016–2018)”. International Journal of Environmental Research and Public Health. ↩︎
- (再掲)National Institutes of Health, Office of Dietary Supplements. “Folate – Fact Sheet for Health Professionals”. ↩︎
- (再掲)Lucock, M. (2000). “Folic acid: nutritional biochemistry, molecular biology, and role in disease processes”. Molecular Genetics and Metabolism. ↩︎
- (再掲)厚生労働省. 「日本人の食事摂取基準(2020年版)」. ↩︎
- (再掲)Institute of Medicine (US) Standing Committee on the Scientific Evaluation of Dietary Reference Intakes. (1998). “Dietary Reference Intakes for Thiamin, Riboflavin, Niacin, Vitamin B6, Folate, Vitamin B12, Pantothenic Acid, Biotin, and Choline”. National Academies Press (US). ↩︎
- (再掲)Vollset, S. E., et al. (2013). “Effects of folic acid supplementation on overall and site-specific cancer incidence during the randomised trials: meta-analyses of data on 50 000 individuals”. ↩︎
- (再掲)B-Vitamin Treatment Trialists’ Collaboration. (2013). “Folic acid supplementation and cancer risk: a meta-analysis of randomized controlled trials”. University of Oxford. ↩︎
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