こんにちは、ZUTTOWAKAI マガジン編集部です。プロテインの安全性について徹底調査するシリーズの11回目。今回は、「ビタミンC」の安全性をご紹介します。
「ビタミンCは知っているけど、蛋白質といっしょになぜとるの? 大丈夫なの?」
この記事では、そんなあなたの疑問にお答えするため、ビタミンCが50代からのカラダづくりにどう役立つのか、そして安心して付き合っていくためのポイントを、どこよりも分かりやすく解説します。もちろん、信頼できる科学的な研究にもとづいて、です。ビタミンCをあなたの力強い味方にするための、正しい知識を一緒に学んでいきましょう。
なお、文章についている※印はどの論文あるいは公的機関の見解に記載があるかを示しています。
もくじ
50代からの筋トレに、ビタミンCが心強い味方になる「3つの理由」
ビタミンCと聞くと「風邪予防」や「美肌」を思い浮かべる方が多いかもしれません。しかし、実は筋力トレーニングを頑張る50代以上の女性にとって、それ以上に嬉しい働きがたくさん報告されています。ここでは、特に知っておきたい3つの大きな利点をご紹介します。
理由1:年齢とともに気になる「筋肉量」の維持を助ける
年齢を重ねると、意識しなければ筋肉は少しずつ減っていきます。これは「サルコペニア」と呼ばれ、将来の健康を左右する大きな課題です。せっかくトレーニングを頑張るなら、その効果を最大限に引き出したいですよね。なぜなら、大切な筋肉をしっかり守り増やしたいたいですから。
ここでビタミンCが重要な役割を果たします。2020年に栄養学の専門誌『The Journal of Nutrition』で発表された論文をみてみましょう。42歳から82歳の男女1万3000人以上を対象とした大規模な研究で、食事や血液中のビタミンC濃度が高い人ほど、骨格筋の量が有意に多いことが明らかになりったのです ※1。
つまり、日々の食事からビタミンCを十分に摂ることは、あなたが頑張っている筋力トレーニングの効果を土台から支えます。そうして、年齢による筋肉の減少を食い止めるための助けになる可能性があるのです。
理由2:しなやかな関節と肌の源、「コラーゲン」づくりを全力サポート
私たちのカラダを建物に例えるなら、コラーゲンは骨や軟骨、腱、そして肌のハリを支える「鉄筋」のような存在です。特にトレーニングを始めたばかりの時期は、関節に負担がかかりやすいもの。だからこそ、この「鉄筋」を強くしなやかに保つことが怪我の予防につながります。
ビタミンCは、このコラーゲンを体内で合成する際に不可欠な「補酵素(助っ人)」として働きます※2。ビタミンCが不足すると、質の良いコラーゲンを効率的に作ることができません。
プロテインでタンパク質という「材料」を補給。それと同時に、ビタミンCという「助っ人」も摂る。そうして、関節を守るクッション(軟骨)や、筋肉と骨をつなぐ腱を健やかに保つことができます。これは、トレーニングを安全に長く続けていくための、賢い戦略と言えるでしょう。
理由3:トレーニングで生まれるカラダの「サビ」と戦う抗酸化パワー
運動をすると、エネルギーを生み出す過程で「活性酸素」という物質が体内で発生します。これはある程度は必要なものですが、過剰になると細胞を傷つけ、カラダの「サビつき(酸化ストレス)」の原因となります。
ビタミンCは、この活性酸素の働きを抑える強力な「抗酸化物質」です ※3。トレーニングによって生じるカラダのサビから細胞を守り、コンディションを整える「防サビ剤」のような役割を果たしてくれるのです。
ビタミンCの「安全性」と専門家が教える「賢い摂り方」
ビタミンCの利点がわかったところで、次に気になるのは安全性です。「摂りすぎるとどうなるの?」という不安を解消し、専門家が推奨する最新の知識に基づいた「賢い摂り方」を学びましょう。
1日に必要な量と、安心の上限ライン
まず、基本的な数値を知っておくと安心です。厚生労働省が示す日本の食事摂取基準(2020年版)と、米国の国立衛生研究所(NIH)の見解を参考に、分かりやすくまとめました ※4。
| カテゴリー | 量 | 身近な例 |
|---|---|---|
| 推奨量 (成人女性) | 100 mg/日 | 赤ピーマン約半分、キウイフルーツ約1.5個 |
| 安心の上限量 | 2,000 mg/日 | サプリメントでも意識しないと超えにくい量 |
| SUPER DRINK 1食分 | 約29 mg | 推奨量の範囲内で安心 |
表からも分かるように、通常の食事で上限の2,000 mgを超えることはまずありません。ZUTTOWAKAIの「SUPER DRINK」に含まれるビタミンCは1食あたり約29 mg。日々の食事を補うのに最適な、体にやさしい量に設計されています。
「腎結石になる」は本当?ウワサの真相を解説
「ビタミンCのサプリを飲むと腎結石のリスクが上がる」という話を聞いたことがあるかもしれません。これは、2013年に権威ある医学誌『JAMA Internal Medicine』で発表されたスウェーデンの研究がきっかけで広まりました ※5。
しかし、この情報を正しく理解することが重要です。この研究は、「男性」が「1日に1,000 mgといった高用量のビタミンCサプリメント」を長期間摂取した場合にリスクが約2倍になったという結果でした ※6。研究者自身も、この結果が女性に当てはまるかは不明としており、他の研究では女性におけるリスクの関連性は報告されていません。
食事から摂る量や、「SUPER DRINK」のような適度に配合されたプロテインで摂取する分には、過度に心配する必要はないでしょう。
専門家の新常識:サプリの「摂りすぎ」は筋トレ効果を邪魔する?
ここが、50代から賢くビタミンCと付き合うための最も重要なポイントです。
実は、運動後に体内で起こる適度な活性酸素の発生や軽い炎症は、筋肉がダメージから回復し、より強く成長するための重要な「スイッチ」の役割を果たしていることが近年の研究で分かってきました。
ところが、トレーニング直後に1,000 mgを超えるような高用量のビタミンCサプリメントを摂取すると、その強力な抗酸化作用がこの大切な「スイッチ」までオフにしてしまい、長期的に見ると筋肉の成長を妨げてしまう可能性がある、と指摘する研究が出てきているのです ※7。
大切なのは「多ければ多いほど良い」という考え方ではなく、「適量をバランスよく」という視点です。基本は野菜や果物などの食事からしっかり摂り、トレーニング後のプロテインで少し補う。このバランスこそが、50代からのカラダづくりを最大化する「賢い付き合い方」なのです。
大航海時代から!ずっと昔から頼りにされてきた栄養素
ビタミンCは、最新の栄養補助食品に含まれる成分というだけではありません。その重要性は、何世紀も前から知られていました。
18世紀、長い船旅に出る船乗りたちを悩ませたのが「壊血病」という恐ろしい病気でした。新鮮な野菜や果物が食べられないことでビタミンCが欠乏し、多くの命が失われたのです。1747年、スコットランドの海軍医ジェームズ・リンドは、壊血病の船員たちにオレンジやレモンを与えたところ、劇的に回復することを実験で突き止めました※8。
この歴史的な発見は、ビタミンCが流行り廃りのない、人間にとって根本的に不可欠な栄養素であることを物語っています。
まとめ|安心して、賢くビタミンCを味方につけよう
今回は、ビタミンC配合プロテインの良い点と安全性について、科学的な根拠を基に解説しました。最後に、大切なポイントを3つにまとめます。
- 50代の力強い味方:ビタミンCは、年齢とともに気になる「筋肉量の維持」を助け、怪我を防ぐ「コラーゲン」の生成をサポートし、運動によるカラダの「サビ」から守ってくれる、トレーニング世代の頼れるパートナーです。
- 適量ならとても安全:通常の食事や適度に配合されたプロテインから摂る分には、非常に安全な栄養素です。腎結石のリスクは、主に高用量のサプリを長期間摂取する男性で指摘されているもので、過度に心配する必要はありません。
- 「摂りすぎない」が賢い選択:最新の研究では、トレーニング効果を最大限に引き出すには、高用量のサプリに頼るのではなく、食事を基本とし、プロテインで適量を補うバランスが重要であることが示唆されています。
ZUTTOWAKAIの「SUPER DRINK」は、こうした科学的な知見に基づき、あなたの健康をサポートするために最適な量を配合しています。安心して日々の習慣に取り入れ、トレーニングの効果をさらに高めていきましょう。
この次は?
いかがでしたか? ZUTTOWAKAIが独自開発した蛋白質飲料 SUPER DRINK に配合されたビタミンCについてまとめてみました。
この次は、SUPER DRINKに配合している健康成分ビタミンDの安全性と役割をとことん調査した健康に役立つ読み物です。下をタッチしてご覧いただけます。
出典・参考文献 一覧
- Hayhoe, R. P., et al. (2020). Lower Dietary and Circulating Vitamin C in Middle- and Older-Aged Men and Women Are Associated with Lower Estimated Skeletal Muscle Mass. The Journal of Nutrition, 150(10), 2789–2798.(42歳から82歳の男女1万3000人以上を対象とした大規模な研究。食事や血液中のビタミンC濃度が高い人ほど、骨格筋の量が多いことを報告し、ビタミンC摂取が加齢による筋肉量の減少を抑える可能性を示唆している。) ↩︎
- DePhillipo, N. N., et al. (2018). Efficacy of Vitamin C Supplementation on Collagen Synthesis and Oxidative Stress After Musculoskeletal Injuries: A Systematic Review. Orthopaedic Journal of Sports Medicine, 6(10).(筋骨格系の損傷後におけるビタミンC補給の効果を検証した系統的レビュー。ビタミンCがコラーゲン合成に不可欠な補酵素として機能し、骨や腱などの結合組織の治癒を促進する可能性を、主に動物実験などの基礎研究に基づいて示している。) ↩︎
- National Institutes of Health, Office of Dietary Supplements. (2021). Vitamin C: Fact Sheet for Health Professionals.(米国の国立衛生研究所(NIH)による医療専門家向けの公式ファクトシート。ビタミンCの機能、推奨摂取量、安全な上限量、食品含有量などを網羅的に解説しており、強力な抗酸化作用を持つことを明記している。) ↩︎
- National Institutes of Health, Office of Dietary Supplements. (2021). Vitamin C: Fact Sheet for Health Professionals. (米国の国立衛生研究所(NIH)による医療専門家向けの公式ファクトシート。ビタミンCの機能、推奨摂取量、安全な上限量、食品含有量などを網羅的に解説しており、強力な抗酸化作用を持つことを明記している。) ↩︎
- Thomas, L. D. K., et al. (2013). Ascorbic acid supplements and kidney stone incidence among men: a prospective study. JAMA Internal Medicine, 173(5), 386–388. (スウェーデンの男性2万3000人以上を対象とした前向き研究。1日に1,000mgなどの高用量ビタミンCサプリメントを摂取する男性は、腎結石を発症するリスクが約2倍になることを報告している。) ↩︎
- (再掲)Thomas, L. D. K., et al. (2013). Ascorbic acid supplements and kidney stone incidence among men: a prospective study. JAMA Internal Medicine, 173(5), 386–388. ↩︎
- Paulsen, G., et al. (2014). Vitamin C and E supplementation hampers cellular adaptation to endurance training in humans: a double-blind, randomised, controlled trial. The Journal of Physiology, 592(8), 1887–1901. (持久力トレーニングを行う男女を対象とした二重盲検ランダム化比較試験。トレーニング期間中に高用量(1,000mg)のビタミンCとビタミンEをサプリメントで摂取した群は、摂取しなかった群に比べ、筋肉の細胞レベルでの適応が妨げられたことを報告している。) ↩︎
- Lind, J. (1753). A treatise of the scurvy.(スコットランドの海軍医ジェームズ・リンドが1753年に出版した壊血病に関する歴史的な論文。1747年に行った世界初の臨床比較試験ともいわれる実験で、壊血病の治療にオレンジやレモンが最も効果的であったことを記録している。) ↩︎
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