「膝痛の原因となりうるウォーキング」をテーマにZUTTOWAKAIマガジンへ貴重なご寄稿をいただきました。著者は、東京・二子玉川でご活躍の理学療法士 関大輔 先生です。「健康のため」と始めたウォーキング。でも、そのウォーキングで膝痛になる方がいらっしゃいます。2023年、「ウォーキングの推奨」を厚生労働省も見直し始めました。あなたの膝を守りつつ健康に寄与するのは厚労省も推奨を始めた筋力トレーニング(筋力運動)のようです(^^)
もくじ
ウォーキングが膝痛を悪化させる!?
「ウォーキングは膝痛を悪化させる」と聞くと驚く方もいるかと思います。なぜなら「ウォーキング=健康に良い」というイメージが世間には根強くあるからです。確かにウォーキングで全身に血流が回り、生活習慣病が改善します。認知機能も改善。うつ傾向の改善。ウォーキングには良いことが多いです。
しかし、私のところに膝痛で来られる方には「膝が痛いんですが頑張って歩いてます」と話される方が実は多いのです。
理学療法士として現場でよく見る現実は「ウォーキングが膝痛を悪化させる」なのです。
65歳以上のウォーキングは1日6000歩が目安
東京都健康長寿医療センター研究所の青柳幸利さんの著書『やってはいけないウォーキング』にも次の指摘があります。
60歳を過ぎてのウォーキングのし過ぎは、身体に弊害すらもたらす
では、どのくらいの歩数がウォーキングの目安なのでしょうか。
2023年11月。10年ぶりに改定された厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド 2023」1では、ウォーキングの目標として以下が定められました。
65歳以上は1日6000歩
「健康づくりのための身体活動・運動ガイド 2023」は目標を6000歩と示す一方で上限は定めていません。しかし、「整形外科的な障害や転倒、持病の悪化などのリスクがある高齢者では、年齢や健康状態に応じた適量の見極めが重要」との記述があります。
つまり、65歳以上のウォーキングは目標6000歩。適量が重要であり、ウォーキングをすればするほど良いわけではないのです。
ウォーキングのしすぎが膝を痛める理由とは?
ウォーキングで膝が痛くなる理由としては、さまざまな原因が考えられます。その中でも最も多いのが膝の変形です。膝の変形とは、膝が常に曲がっていたりO脚になることをいいます。
膝が変形した状態で長い時間歩くことで、膝関節の軟骨が徐々にすり減っていきます。結果、痛みへとつながっていきます。健康に良いと思っていたウォーキングが少しずつ骨を削っているなんて怖いですよね。でも、知らないうちに自分の体をウォーキングで傷つけている方がとても多いのです。
では、なぜ膝が変形してしまうのでしょう?
それは筋肉の減少が大きく関係しています。筋肉が減って体のバランスが崩れると、膝を曲げたり体を前に倒したりして体のバランスを保とうとします。その状態が長い間続くと徐々に筋肉が硬くなっていきます。硬くなった筋肉に引っ張られ骨さえも変形してしまうのです。
膝痛の改善ならウォーキングではなく筋力運動!
厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド 2023」では、以下の記載があります。
成人および高齢者に、筋トレを週2~3日実施することを推奨する
(出典:健康づくりのための身体活動基準・指針の改訂に関する検討会「健康づくりのための身体活動・運動ガイド 2023」p.17「筋力トレーニングについて」より)
膝痛を改善するためにウォーキングを頑張りすぎている方へ。今すぐ、筋トレを元に開発された週2回で良い健康運動 ZUTTOWAKAI も取り入れてみてください。(※膝痛がかなり強い方は、医師に相談のうえ適切な安静も大切です)
週2回で良い健康運動 ZUTTOWAKAI で膝周りだけを鍛えるのではなく、お尻周りやお腹の筋肉など、膝以外の部分もしっかり鍛えると良いでしょう。
膝だけでなく、膝周囲の筋力低下が膝痛の原因になっていることがとても多いからです。そして、膝痛の方の運動は必ず指導者の適切なアドバイスや監督のもとで行うのを忘れないでください。
今すぐ必要!筋肉を増やし膝の変形を防ぐ筋力運動
膝痛がある方をはじめとして、ウォーキングのしすぎは危険です。筋肉の減少が膝の変形を引き起こします。膝痛の軽減には筋肉を増やす運動がとても大切です。
週2回で良い健康運動 ZUTTOWAKAI で、膝以外の筋肉もしっかりと増やしていきましょう。
- 厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド 2023」2023年
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/001171393.pdf ↩︎
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