腰痛の放置は危険!理学療法士が教える「85%の腰痛は●●」とは

東京・二子玉川でご活躍の理学療法士、関大輔先生から「腰痛を放ったらかしにする危険」をテーマに、貴重なご寄稿をいただきました。**だからこそ、「腰痛の85%は●●」というあまり知られていない腰痛の真実、そしてその85%の腰痛を改善・予防する方法とは? 腰痛でお悩みの方、腰を痛めているご家族がいらっしゃる方、必読の記事です。

腰痛で数メートルしか歩けない体に!居酒屋を営む源一さんの話

理学療法士になりたての頃。僕がリハビリを担当していた源一さん(仮名)という患者さんがいました。源一さんは仕事熱心な方で、店主をしている居酒屋は多くの常連さんに愛されていました。ところが、ある日、体に違和感を覚えます。朝起きた時の軽い腰痛でした。

日中になると消える痛み。そんなこともあり「大したことはないだろう」と腰の痛みをそのままにしていたそうです。

ですが次第に、腰痛を感じる時間は長くなります。腰の痛みも強くなっていきました。気がつくと、足にしびれを感じるようにもなっていたそうです。

それにもかかわらず、居酒屋の仕事でとても忙しい源一さんは体のことは二の次でした。仕事優先の日々が過ぎていきます。

その結果、仕事優先の日々の間も足のしびれや痛みは強くなっていきます。そうして数年が経った頃、ついに数メートルほどしか源一さんは歩けなくなってしまいました。

長崎県南島原市に遂に登場した最新スポーツ科学に基づく腰痛改善フィットネスクラブ南島原市健康体操クラブZUTTOWAKAI。そのZUTTOWAKAのウェブマガジン「ZUTTOWAKAIマガジン」へ寄稿いただいた理学療法士・関大輔先生の記事に登場する腰痛男性のイメージ写真。ちょっとした腰痛を放置した男性が数年後には歩行困難に!
▲腰痛をきっかけに歩けなくなると活動量が低下。全身の筋肉がさらに減り始めます

医師の診断は、重度の『脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)』。背骨にあるトンネル状の管である脊柱管(せきちゅうかん)が狭くなり神経を圧迫して痛みを感じる病気です。源一さんは手術適応に。

腰痛を放ったらかしにした源一さんの後悔

その脊柱管狭窄症の手術後に僕とのリハビリ生活が始まったのです。

「いつ頃から体の違和感がありましたか?」と源一さんに尋ねてみました。

源一さんは「数年前くらいからかな。朝、起きたときに軽い腰痛があった。そこから始まった気がするなぁ。こんなことなら早いうちから気をつけておけばよかったよ。もう昔みたいには戻れないだろうなぁ」と残念そうにお話をしてくださいました。

源一さんは平静を装っていたようです。しかし、自由が効かない体が本当は悔しくてたまらなかったのかもしれません。

「軽い腰の痛みだから…」と考えている方。ご自分の体と早めに向き合っていただきたいと心から思います。

腰痛は体の悩み1位!40代以降数十年に渡り多くの人が悩む腰痛

では実際にどのくらいの方が腰痛でお悩みなのでしょうか。厚生労働省の統計「国民生活基礎調査」を見てみましょう。

まず、50代以上の男性での体の悩み1位はすべて腰痛です。

50〜59歲60〜69歲70〜79歲80歲以上
男性1位腰痛腰痛腰痛腰痛
男性2位肩こり肩こり頻尿きこえにくい
男性3位体がだるい手足の関節が痛む手足の関節が痛む頻尿
▲男性の年齢別自覚症状(出典:厚生労働省政策統括官「国民生活基礎調査(平成28年)の結果からグラフでみる世帯の状況」P.30 性・年齢階級別にみた症状別自覚症状のある者(有訴者)率(人口千対)の順位より)

女性だと、50代で2位が腰痛。60代以上の女性ではすべて1位は腰痛です。

50〜59歲60〜69歲70〜79歲80歲以上
女性1位肩こり腰痛腰痛腰痛
女性2位腰痛肩こり肩こり手足の関節が痛む
女性3位手足の関節が痛む手足の関節が痛む手足の関節が痛む手足の動きが悪い
▲女性の年齢別自覚症状(出典:厚生労働省政策統括官「国民生活基礎調査(平成28年)の結果からグラフでみる世帯の状況」P.30 性・年齢階級別にみた症状別自覚症状のある者(有訴者)率(人口千対)の順位より)

4人に1人が腰に痛み!腰痛は今や社会問題・国民病です

念のため、年齢や性別を問わない日本全体でのデータも見てみましょう。

長崎県南島原市で膝痛対策フィットネスクラブとして多数の会員を持つ南島原市健康体操クラブZUTTOWAKAI。そのZUTTOWAKAIが運営するwebマガジン「ZUTTOWAKAIマガジン」へ寄稿した理学療法士関大輔先生が用意したグラフ。日本の人口1000人あたりで腰痛で悩む人が207人もいることがわかります。厚生労働省の「国民生活基礎調査(平成28年)の結果からグラフでみる世帯の状況」P.29を元にしたデータです。
▲日本の人口1000人あたりで腰痛で悩む人が207人。体の悩みで1位となっています。厚生労働省の「国民生活基礎調査(平成28年)の結果からグラフでみる世帯の状況」P.29を元にしたデータ

上記のグラフの通り腰痛は年齢・性別を問わず体の悩みのトップ。なんと、人口1000人あたり207人が腰の悩みを抱えています。

つまり、日本の総人口1億2693万人のうち2631万人が『腰痛症』と考えられます。日本に住む人のうちおよそ4人に1人が腰痛なのです。

腰痛は、日本の社会問題・国民病だと言えそうです。

あまり知られていない意外な真実「85%の腰痛は●●」

これほどまでに多くの人が悩む腰痛。原因を特定できる腰痛もあります。たとえば、

  • 背骨の骨と骨の間にある椎間板の一部が飛び出して神経に当たり痛みを感じる椎間板ヘルニア
  • 背骨にあるトンネル状の管である脊柱管が狭くなり神経を圧迫して痛みを感じる脊柱管狭窄症

──などです。冒頭の源一さんは脊柱管狭窄症。原因を特定できた腰痛でした。しかし、実は、

約85%の腰痛の原因は解明されていません

この原因不明な85%の腰痛は「非特異的腰痛」(ひとくいてきようつう)と呼ばれます。

長崎県南島原市加津佐町の住宅街にあり、歩いていける腰痛予防健康体操クラブとして満足率1位の南島原市健康体操クラブZUTTOWAKAI。そのZUTTOWAKAIが運営するwebマガジン「ZUTTOWAKAIマガジン」へ寄稿いただいた理学療法士・関大輔先生が用意したグラフ。腰痛のうち85%は原因が特定できない非特異的腰痛となっています。出典:What can the history and physical examination tell us about low back pain? JAMA 268: 760-765, 1992
▲腰の痛みのうち85%は原因が特定できない非特異的腰痛(出典:What can the history and physical examination tell us about low back pain? JAMA 268: 760-765, 1992)

レントゲンなどの画像で異常が特定できない腰痛は「非特異的腰痛」とされるのです。この非特異的腰痛は、湿布や塗り薬などの対症療法で済まされてしまいがち。

腰の痛みで悩む皆さんは「病院に行っても湿布や塗り薬などを渡されただけ」という経験をした方が多いはず。

なぜなら、85%の腰痛は原因を特定できないからです。

では、原因不明な85%の腰の痛みに私たちは何もできないのでしょうか? そんなことはありません。

85%を占める原因不明の腰痛を改善・予防する取り組みはあります!

「腰痛の原因が分からない」と診断されてもあきらめないでください。腰の痛みを改善するのは可能です。

85%を占める原因不明の腰痛対策には、腰まわりの骨格にヒントがあります。

腰骨の左右にある大きな空間が腰痛改善のヒント!

85%を占める原因不明の腰痛には人間の体の構造が関係しています。下の図をご覧ください。

長崎県南島原市で腰が気になる70代から絶大な支持を得ている腰の痛み対策フィットネスクラブ週2回で良い健康運動ZUTTOWAKAI。そのZUTTOWAKAIが運営するウェブマガジン「ZUTTOWAKAIマガジン」へ寄稿いただいた理学療法士・関大輔先生が用意した図解。腰骨(腰椎)の左右には大きな空間が広がるのがわかります
▲腰骨(腰椎)の左右には他に支える骨がない大きな空間が広がっているのがわかります(Anatomography, CC BY-SA 2.1 JP https://creativecommons.org/licenses/by-sa/2.1/jp/deed.en , via Wikimedia Commons をもとに作成)

腰骨の上にある『肋骨』と腰骨の下にある『骨盤』の間に腰骨はあります。したがって、図の赤丸で示しているように腰骨の左右には他に支える骨がない大きな空間が生まれるのです。

つまり、85%の原因不明の腰痛につながると考えられるのは、

  1. 左右に大きな空間がある腰骨はそもそも不安定
  2. 不安定な腰骨を支えるはずの腰回りの筋肉が少ないと
  3. 腰骨の安定感がなくなって腰痛へ

──といえます。したがって、85%の腰痛に関係するのは筋力低下。つまり、

原因不明の腰痛改善で大切なのは腰まわりの筋肉を増やす

──のが大切です。「腰痛を防いだり」「腰の痛みを改善する」には次の3つのステップが必要だといえます。

  1. まず、背筋など腰回りの筋肉を増やして
  2. そして、筋肉のチカラで、赤丸で囲った腰骨の左右にある大きな空間を安定させて
  3. その結果、腰骨だけに負荷がかかるのを避ける

腰周りの筋肉を鍛えると筋肉のコルセットで腰を常に守れるようになります。筋肉のコルセットを日頃からつけておけば腰の痛みを予防・腰痛の改善へとつながっていきます。

腰の痛みは体からの危険信号!腰まわりの筋肉を今すぐ増やしましょう

軽い腰痛を決して見逃さないでください。なぜなら、腰の痛みは体からの危険信号だからです。

今のうちに筋肉をつけて腰を守って!

──と体が教えてくれているのが腰痛ともいえます。

腰の痛みから始まり転倒、そうして寝たきりの体になってしまった人を僕は何人も見てきました。次のような流れです。

  1. 腰痛が悪化して運動の機会が減る
  2. 運動の機会が減ると全身の筋力がさらに落ちる
  3. 全身の筋力が落ちると転びやすくなる
  4. 転倒をきっかけに寝たきりへ

こちらの膝痛の記事でお伝えした「寝たきりへ進む負のループ」。

同じように、腰痛でも「寝たきりへ進む負のループ」は始まるのです。

長崎県南島原市で利用者急増中の腰痛予防フィットネスクラブである南島原市健康体操クラブZUTTOWAKAI。そのZUTTOWAKAIが運営するウェブマガジン「ZUTTOWAKAIマガジン」へ寄稿いただいた理学療法士・関大輔先生が用意したグラフ。腰痛をきっかけに負のスパイラルが続くと寝たきりになることがわかります。
▲腰痛をきっかけに負のスパイラルが続くと寝たきりになることがわかります
  • 今、腰痛を感じている方
  • 今は少し腰に違和感があるくらいの方

どちらの方も、今すぐ、今日から、筋力と筋肉をつけて腰の痛みを改善・腰痛予防を強くオススメします。

なぜなら、腰痛が原因で数年〜十数年後に寝たきりになると、ご自身はもちろんご家族も大変なのですから。

長崎県南島原市で利用者数最多の腰痛改善フィットネスクラブ南島原市健康体操クラブZUTTOWAKAI。そのZUTTOWAKAIが運営するウェブマガジン「ZUTTOWAKAIマガジン」に、原因不明の腰痛である非特異的腰痛を改善・予防する方法をテーマに寄稿をいただいた理学療法士・関大輔先生が懸念するのが腰痛放置。放置した先には寝たきり生活が待ち受けていると示す写真です
▲「腰の調子はよくない。でも大丈夫でしょ?」みんなそう思いがち。でも、大丈夫ではないのが腰痛

筋肉をつけて一生元気な腰と体になりましょう

長崎県南島原市で歩いていける場所に店舗を多数展開する腰の痛み対策フィットネスクラブ週2回で良い健康運動ZUTTOWAKAI。そのZUTTOWAKAIのエグゼクティブトレーナーである太田祥平が用意した居酒屋経営者のイメージ写真
▲手術とリハビリで腰痛から回復した源一さん。回復後、筋肉をつけるトレーニングを続けてらっしゃいます。次はあなたがZUTTOWAKAIで腰痛の改善をはじめる番!(写真はイメージです)

冒頭でお話した源一さんは厳しいリハビリを乗り越えて無事に居酒屋のお仕事に復帰なさいました。源一さんがリハビリを終え退院なさったときの言葉を今もよく覚えています。

「また仕事ができるようになったよ。自分の体をこれからはもっと気にするようにするよ。ありがとね」

後日、元気になった源一さんの居酒屋に足を運んでみました。繁盛する居酒屋には、お客さんと楽しそうに会話をする源一さんの姿がありました。

源一さんと一緒に飲んだお酒は今でも忘れられない味です。

さらに、源一さんはその後、筋肉が減らないようにトレーニングをしてくださっているようです。

ヒトは加齢とともに筋肉が減っていきます。しかし、筋力運動を行えば何歳からでも筋肉は増やせます

この記事をきっかけに、あなたご自身が「自分の体を見つめ直し」、そして「自分の体を大切にする取り組みとして筋力運動を始める」ようになって腰痛を改善していただければ幸いです。

関 大輔 先生

関 大輔 先生

1994年・群馬県中之条町出身。2017年理学療法士免許を取得。埼玉県にて総合病院に勤務後、東京都にて訪問リハビリに勤務。2022年6月、健康・美容の悩みを根本から整える整体サロンRacines(ラシーヌ)を銀座で開業。二子玉川へ移転後も20〜50代の幅広い世代から身体の悩みが解決すると支持されている。SNSやYouTubeでの健康・美容情報の発信など多岐にわたり活動している

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