健康寿命を延ばす方法について、医師の松田英生先生から貴重なご寄稿をいただきました。そのため、24時間365日「自分の関節を守ってくれる天然の関節サポーターの筋肉」を増やすと、膝痛・腰痛だけではなく寝たきり防止にも大事なようです(^^)
もくじ
健康寿命が短いと平均9〜12年間も日常生活に不便!他人事ではありません
超高齢化社会を迎えた日本。だからこそ、より幸せな人生を過ごすにはあなたや家族の筋肉を増やすことが大事かもしれません。さらには、より良い日本の未来にもつながるはずです。
なぜでしょうか。
2015年の国勢調査を基にした厚生労働省のデータをご覧ください。
女性 | 男性 | |
---|---|---|
平均寿命 | 87歳 | 81歳 |
健康寿命 | 75歳 | 72歳 |
日常生活に制限がある期間 | 12年 | 9年 |
平均寿命と健康寿命の差「日常生活に制限がある期間」が女性で12年・男性で9年にもなっているのです。
2020年の国勢調査データは確定していませんが、日常生活に制限がある期間は女性で0.07年・男性で0.17年と2001年以降だんだん長くなってもいます。
日常生活に制限がある期間が女性で12年・男性で9年にもなっている原因。2001年以降、日常生活に制限がある期間がのひとつに、ロコモと呼ばれるロコモティブシンドロームがあります。
健康寿命が短くなる原因の一つ「体力低下のロコモ」
ロコモとは、運動器の障害で次のいずれかになった状態をいいます。
- 生活活動制限や要介護とすでになっている
- 生活活動制限や要介護になるリスクが高まった状態
運動器とは、身体の運動にかかわる骨・関節・筋肉・神経などの総称です。
つまり、以下の状態が進行して体力が弱っていくのがロコモとなります。
- 「筋肉の減少」「神経活動の減少」で歩くのが遅くなった・つまづきやすくなった
- 「関節軟骨のすり減り」で足腰の関節が痛くなった・O脚になった
- 骨粗しょう症
これらをきっかけに起こるロコモを防ぐ。そうして、あなた自身あるいはご両親の健康寿命を伸ばす。筋力運動はその一助になります!
健康寿命を筋力運動で伸ばせる理由
ロコモとなってしまう前掲の3つのきっかけ。そのうち1つ目の「筋肉の減少」や「関節軟骨のすり減り」を関節と筋肉の関係で考えてみます。すると、次のことが言えます。
1.筋肉は関節を安定化させる
筋力が弱いと関節はグラグラで怪我しやすくなります。
そして筋力は、自分が思っているより低下していることが多いのです。
週末はジョギングして体力を維持しているつもりだった筆者(48才)。ですが、リハビリの先生によるテストを受けてびっくり。自分では気づかない足腰のぐらつきを指摘されたのです。
2.筋肉は関節のショックアブソーバー(衝撃を和らげる)
筋肉が少ないと、関節で重さを受け止めて力を分散してくれるはずの関節軟骨どうしがガツゴツとぶつかり合うようにもなります。すると、関節軟骨がすり減っていくことに。
関節軟骨がすり減ると、膝や腰の病気になったりもします。膝関節だと変形性膝関節症、腰だと変形性腰椎症という病気です。
つまり、筋肉が多ければ以下の良い効果が期待できます。
- 関節軟骨がすり減るのを防げて
- 変形性膝関節症や変形性腰椎症を避けられる
女性で12年・男性で9年にも及ぶ日常生活に制限が生まれるきっかけとなるロコモを防ぐには、筋肉を増やす筋力運動がとても大切といえます。
【まとめ】天然の関節サポーターを体の中に作るのが筋力運動
関節が傷んだとき、サポーターで症状が楽になリますよね? なぜなら、サポーターが筋肉の代わりをしてくれるからです。つまり、筋肉を増やすと自分の体内にサポーターがあるのと同じ状態。
関節や骨(軟骨)を若々しく保ち、ロコモ予防につながるのが筋肉を増やすことなのです。
日々の生活にちょっと筋力運動を意識してみましょう。たとえば、腰と膝の悩み対策の筋力運動の種目として下記のデッドリフトがあります。
筋肉を増やせる筋力運動で将来の自分あるいはご両親がより幸せになり、みんなの筋肉が増えれば社会がより元気になれるかもしれません。できることからコツコツと始めてみませんか?
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